春先の血圧について
生活習慣
2009年03月24日
高血圧の患者さんには辛く危険な寒い冬を乗り越え、しだいに気温も上昇してきました。
一般に冬に血圧が高くなるのは、寒さによって交感神経が刺激をうけ、血管を収縮させるためです。春先になって寒さが緩み一安心といきたいところですが、血圧のコントロールはそんなに簡単なものではありません。
これまでの経験からみても、春先に血圧が不安定になる方がかなりいらっしゃいます。
理由として考えられるのは、
① 春先には屋外に出る機会が増え、冬の間に弱っていた筋肉に負担がかかり、それほどではない運動量が負担となって疲労や血圧の上昇をまねくこと
② 油断から高血圧には禁物の塩分をついつい多く摂ってしまうこと
③ 夜明けの時刻が早くなり、早朝から仕事を開始することで、もともと高くなりがちな早朝の血圧がますます上がってしまうこと
④ 新年度を迎え、さまざまな環境の変化による精神的ストレスがかかること
などが考えられます。
ですから、冬が去ったといって油断せず、毎日の血圧を安定させるために、できれば楽しみながら生活習慣の改善をおこなってください。
注意点
行楽で温泉に入浴したあとに血圧が上昇する方もかなり見受けられます。
多くの場合、少し安静にして疲れがとれてくると血圧はしだいにおさまってきますが、血圧の上昇が激しく、もともと脳の血管の状態がよくない場合に生命にかかわる大きな異常が生じるような場合もあります。
季節を問わず、入浴は高血圧症の方にとって注意を要することのひとつです。
高血圧症の方は、ご家庭での血圧測定やできれば24時間血圧測定検査を受けて、自分の血圧の変動を把握し、適切な治療をかかりつけ医師と充分に話し合って選択し、油断せずにじっくりと取り組まれることが大切であると思われます。