院長コラム

新盆が終わりました

 我が家は今年新盆を迎えました。
 昨年暮れに逝った母を迎えるために早くから多くの皆さんの力を借りて準備していました。
 母の存命中に建立した庵治石の六地蔵さん (延命幸福六地蔵) の周辺や庭全体の整備のために石材店や造園会社の皆さんに猛暑の中を働いていただき庭が見違えるようになりました。
 高灯篭を立て、その下にたくさんの提灯を配置しました。
 墓所より戻り灯明を盆棚の蝋燭に移し夕刻には迎え火を焚くという一つ一つの決まり事、そして盆棚に置かれる数々の供物のすべてに意味が込められています。
 ひとつひとつの作業を行いながら、昔からこの国の人々が大切に守ってきた習慣を淡々と受け継いでいくことがどんなに有難いことであるか考えていました。
 原発事故後自宅への宿泊がやっと可能になって墓参りをする皆さんの様子がテレビで放映されましたが、まだ自宅に宿泊できない方もいます。
 先祖の墓を大切に守り日々仏壇にご飯やお茶を供えご先祖様に挨拶するという当たり前のことができなくなったら、心の中にぽっかりと穴が開いたような気がするのではないかと考えました。
 すべての被災者、避難者の皆さんが心安らかにお盆を迎えることができますように祈らずにはいられませんでした。
 13日夕刻、家に戻った母とすべての先祖のためにじゃんがら念仏踊りの皆さんを招きました。
 新盆に御霊を供養するために踊られるこの念仏踊りを継承している各地区の青年たちが4組60名あまりも我が家を訪れてくれました。
 平田村の駒形じゃんがら念仏保存会、いわき市下桶売の下桶売青年会じゃんがら念仏踊り、いわき市三和町の下三坂若連じゃんがら念仏踊り、そして小野町の上羽出庭じゃんがら念仏踊りの皆さんすべてに感謝です。
 
 心を込めて踊っていただきました。唱和された声も素晴らしかった。新盆のよい供養になりました。
 そしていつもながらの美声で読経くださった菩提寺住職様、暑さの中をご焼香くださった多くの皆様に深く御礼申し上げます。
 準備を含めてこの新盆期間に多忙な私たちを支えてくださったすべての皆様に感謝いたします。
 
 
 最後に生前の母を私たち夫婦とともに看護し、今回新盆の受付を担当してくれた職員の皆さんに感謝・感謝・感謝・・・。

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