院長コラム

涼しかった夏が終わり

 涼しかった夏が終わり、いつのまにか天候不順な秋になりました。
 近年、大型台風が引き起こす災害が大きく報じられます。
 地球温暖化の影響が考えられます。
 地球上のすべての国が真剣に対応していかなければならないと考えます。
 何十年、何百年後の人々が安全な環境で生きていくために、今しなければならないことを考えなければいけないでしょう。、
 高度な技術で地球温暖化を加速させないために貢献していくことが、これからの日本の進むべき道と考えます。
 そして一人一人が大切なこと、生命と安全を脅かさない環境を守るために声をあげていくことが大事です。
 生命と安全を脅かされない環境といえば、最近の2度にわたる早朝のミサイル警報で生活のペースを乱されたり、不安になっている方もおられると思います。  
 平和であるはずの日本になぜこのようなことが起こるのか?と混乱される方もあるでしょう。 
 この機会に、今まで関心のなかった方も、国外の事情にもっと目を向けてみましょう。
 世界の中で日本がどのように存在してきたか、近代の歴史を検証し、新たに学び、冷静な判断を可能にする正しい知識を得ることが不可欠です。
 戦後の日本は、その勤勉で誠実な国民性とともに国際社会への多くの貢献をもって知られていると思ってきました。
 10年に及ぶ在米中も自らが日本人であることに誇りをもって生活していました。
 しかしご存知のように周辺の国には必ずしも日本のこれまでの歩みについて肯定的ではない国があります。
 時にはひどく感情的と感じられるそのようなコメントに対して憤慨する方も多いと思います。
 戦後の日本が周辺国に拠出した膨大な額の援助・支援について思う時に、さらにその感情は増幅されるかもしれません。
 しかしながら、このまま憤って不愉快な感情を持つままでよいのでしょうか。
 これから先の周辺国家との協調・協力をめざすときに、先ず冷静で正確な検証をもって自らが正しく判断し双方が冷静に会話できる環境を模索していくことが重要であると思うのです。
 そのような努力が双方でなされなければ、放置された行き場のない負の感情は増幅され、それによって過去の歴史は歪曲されるかもしれません。
 事実であるかないかが正しく冷静に検証されないままに、悪意のない第三者に、いまだ正確に検証されず証明されていないことが真実であるかのように認識されるようなことがあれば、それは取り返しのつかないことになります。
 日本は、冷静かつ優れた判断により国の内外へ正しい姿勢を示すべきでしょう。
 話を戻しますが、昨今のミサイル横断によって、この国の安全神話は一瞬で崩れたように思います。原子力発電所の事故の時もそうでした。
 今、正しくこの国の来し方を考え、国民一人一人、老いも若きもが自ら沈思黙考することなくしてこの国に明るい将来はないように思えます。
 東日本大震災の記憶はまだ新しいと思います。
 自らが被災し、家族、親族、家財、仕事をなくした多くの人々が、支えあい、いたわりあう姿は世界に報じられました。
 混乱に乗じた暴動、略奪もなく、列をつくり静かに順番を待つ人々の姿は、日本人の民族性を世界に知らしめました。
 今、改めてこの国の人々がもつかけがえのない特質・美徳について考えます。
 誰もが意識せずに持ち続けてきた日本人の国民性が、これからも変わることなく明日を担う子供たち、孫たちに受け継がれ、彼らの時代に様々な分野での人類への貢献によって日本人が誇りをもって存在することができるように、今、私たちは現在直面する状況について真剣に考え、正しく判断しなければなりません。
 自らの国民の生命と安全を他国に頼りつづけるしかない状況がどんなに不自然であるかについては、国外に住んだことのある方であれば誰でもわかるはずです。
 この国ほどの経済発展を成し遂げていない世界中のほとんどの国が、自らを守るための力を持ち、維持しています。
 それらの国は決して好戦的であるわけではなく、ただ自国の存立という重要な目的のために当然のように軍隊というものが存在します。
 安全神話が崩れた今、不安におののく国民の多くが、自分自身の疑問を、そして考えを語り始めるときでしょう。
 子供たちや孫、ひ孫の世代のためにも、今この重要な時期に考え、努力していきましょう。
 今、現状を直視していれば、この国が周辺国から明らかに敵意を向けられ、脅されていることに気づくはずです。
 そして、日本人が直視せず、認めようとしないその事実を世界中の人々が知っているのです。
 そして、一番悲しいことは、多くの日本人が現場で日夜これらの脅しに対応している人々のことを真剣に考えるまでに、まだまだ長い時間がかかりそうだということです。
 自由な言論が許されるこの国の在り方、民主主義国家というものがなんであるのかをもう一度よく考えましょう。
 そしてこの民主主義という同じ考えを共有している国々とそれ以外の国々の違いを認識しましょう。
 それ(民主主義国家である日本という現在の状態)が、長く苦しい戦いや闘争、運動の結果得られたものではなく、戦後急速に与えられたものであるにせよ、それがかけがえのないものであることに気づくはずです。
 その気づきからすべては始まります。そして国民としての意識を持ち、国民であることへの誇りをもって生き続けることができるように、目を背けずに現実を直視して、一握りの政治家に丸投げすることなく自分たちの考えを表明していきましょう。
 この国の未来に何が残せるかという大きなテーマについて人任せにすることはあまりにも無責任であると考えます。
 最後に高齢化社会について考えます。
 国の財政を考えるときに、今高齢者のための医療費負担が膨大になることを恐れて、様々な取り組みがなされています。
 しかし、そもそも高齢者になることは悪いことでしょうか。
 この国の今を作ってきた国民が幸福に長寿を迎えることを国の幸福と考え、そして国民が高齢者になることをむやみにおそれないで、心と身体の健康を守り元気に過ごすことができる国を作ることが先決ではないでしょうか。
 生きがいをみつけ、毎日の暮らしを楽しみ健康な長寿を迎える多くの人々の存在こそが、勤勉に働き、世界への貢献を忘れず、自らに誇りをもって生きるこれからの日本の在り方が正しいということを示すのです。
 それは世界への強いメッセージになります。
 ですから、法律をつくる方々には、国際貢献とともに、自国民の健康な長寿を応援するという重要な役割を担っていることも忘れないようにしていただきたいものです。
 最後にご報告
 原発事故避難区域で避難解除になった葛尾村に村立診療所が誕生します。われら田村医師会会員の有志ら13人の医師がこの診療所を支えていきます。医師会長として、この応援プロジェクトに参加できることを誇りに思います。
 関係者各位、特に福島県医師会事務局長、応援会員の皆様に深く感謝いたします。

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