院長コラム

コロナの5月に思うこと

5月に入ってから多くの花が競うように咲きはじめました。
少し前には椿・水仙・チューリップ・石楠花が咲いていましたが、その後に人目を惹く黄色の山吹・鮮やかな赤のサツキ・濃いピンクの躑躅・そして薄紫の藤の花・さらには薄桃色と赤紫の芙蓉が見事に咲きそろってきました。
外出を制限しているおかげで、これまで忙しさにかまけてよく見てこなかった庭の景色に気づくようになりました。
昨年の春にも同じようなことを思いましたが、長い年月をよく見てくれる人もいないのに毎年見事に花をつけていたのだと思うと、花々には申し訳なかったと思います。
それにしても花の美しさがこんなに心にしみるのは、今がコロナの時代だからかもしれません。
健気に咲くタンポポに目を奪われたほどです。
昨年から大きく変わってしまった世界を、そして日本を見るにつけ、生命の尊さを思い、医師としての役割を実感します。
人間は永遠には生きられませんが、生きているうちに悔いのないようにしっかり仕事をしていきたいと思います。
今はかかりつけ医として患者さん一人一人との縁を大切にし、コロナの世界の中で少しでも早く安心できるように毎日の診療に力を入れていきたいと思います。
気温も上昇し、あかるい日差しの中で田畑での仕事も進み、初夏の野菜や秋のお米など見事な収穫が今から楽しみです。
ロシアの文豪が、人間にとって一番幸福な生き方は、土地を耕し努力して大きな実りを得ることだと語りましたが、今、とても共感できます。
時間がたっぷりあるようになったら野菜作りをしてみたいような気がしますが、その時には野菜作りの名人たちにいろいろと教えていただきたいと思います。
でも今はまだ、かかりつけの医師として、通院してこられる皆さんの治療や体調管理に集中することが第一です。
人は皆、自分の持ち場をしっかりと守っていかなければなりません。
そうすることで、この社会が成り立っています。
新型コロナウイルスの変異型のなかには、感染力が強いタイプがあり、それが次第に広まりつつあります。
これまでよりもっと厳密な予防体制をとるべきだと感じます。
決して油断をせず、適切な感染予防のための行動を継続しましょう。
そしてコロナ終結と健康で幸福な長寿を目指してがんばりましょう。

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