肺炎ワクチンについて
肺炎
2008年09月12日
毎年多くの高齢の方が肺炎で亡くなられています。この肺炎を引き起こす原因のなかで最も多い菌が肺炎双球菌です。
この肺炎双球菌に対するワクチンは20年前から開発されていてアメリカやヨーロッパでは65歳以上の方の6~7割が接種していると報告されています。
実際、このワクチンを接種する方は日本でも年々増えてきて2003年には16万人が接種されています。
この肺炎ワクチンは、先に述べた肺炎双球菌の8割に有効だといわれ、また安全性も高く(接種後に注射部位の痛みや腫れ、軽い発熱が出る方も時にいますが、日常生活にさしつかえるほどのものではありません)5年間以上にわたって有効ですから、高齢の方はもちろん以下のような方にはとくに接種をおすすめいたします。
1. 75歳以上の高齢の方
2. 肺の疾患をお持ちの方
(例) 肺気腫の方 喘息の方 在宅酸素療法を受けていられる方
結核既往の方 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の方
3. 心臓の疾患をお持ちの方
(例) 心不全のある方
4. 慢性疾患をお持ちの方
(例) 肝機能障害のある方 腎不全のある方 糖尿病の方
5. 寝たきりの状態で過ごされている方
6. アスピリンを服用されている方
このワクチンは現在日本では膵臓を摘出されている方のみに保険が適応され、それ以外の方は自費で接種することになります。
通常医療機関によって¥6.000~¥9.000です。当医院で接種の場合には¥6.000がかかります。
しかしながら一度肺炎にかかり完治するまでの費用は予想を超える高額です。約20万円かかるという試算もありますし、不幸にして亡くなる場合もあります。このようなことは可能な限り避けたいものです。
肺炎ワクチンは予約の上で取り寄せることになりますが、時として品不足の場合もあります。接種をご希望の方は余裕を持って早めに予約をしてください。
また、インフルエンザなどの予防接種をされる場合は接種の間を2週間あけて接種するようになりますので、なるべくその時期になる前に接種してください。