肩こりについて
肩こり
2010年02月06日
診療のなかで、多くの方が肩こりの症状に悩んでおられることに気づきます。
中には、頭痛やめまい・吐き気をともなう場合もあり、肩こりといって、ひとことで済まされない場合が多いのです。
肩こりとは
一般に多くの方がもっておられる肩こりの認識は
首の付け根や肩・背中あたりの硬直(硬くなった状態)と、それにともなう血行不良の状態です。
この肩こりの原因については様々な説があります。
最近よく耳にするのが、長時間のパソコン使用による目の酷使からくる肩こりです。
また、緊張する状態が長く続いたあとにも、肩こりを感じる人がいます。
よく、気を使う相手と接したあとに 「肩がこった」 という表現をすることがありますが、文字通り肩がこっているのです。
この場合には 「気を使う相手」 と接するという精神的なストレスが肩こりの要因とも考えられます。
同じ姿勢を長く続けた後にも肩こりは生じます。 いわゆるデスクワークといわれる事務職の方に多く見られます。
夏に冷房が強すぎて肩こりになったという例もありました。 本当に 「冷えは万病のもと」 だと思います。
上記のような理由で生じた肩こりは、一般に ご自分に適した方法で解消することが可能です。
肩や首の後ろをあたためて血行をよくする ・ 筋肉をほぐす体操をする ・ 湿布や塗り薬を用いる ・ マッサージなどです。
これらを組み合わせてご自分に一番合った解消法をみつけるとよいでしょう。
また、どのような時に肩こりが生じるかを分析して、その原因をうまく回避するように工夫することも肝心です。
しかしながら、このような 「一般的な肩こり」 ではない場合、症状は簡単には治まりません。
それは、その肩こりの背景に何らかの病気がある場合です。
いいかえれば、肩こりが何らかの疾患の症状の一部としてあらわれている場合です。
いくつかをあげてみましょう
1. 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
2. 変形性頸椎症
3. 頸部椎間板ヘルニア
4. 胸郭出口症候群
5. 頸椎捻挫(むち打ち症)
6. 腫瘍
上記は、症状として肩こりを生じることのある疾患です。
* また、血圧が普段より上昇したときにも、肩こりを感じる場合があります。
この場合、ひどくなると頭痛・めまいと吐き気・嘔吐をともなうこともあります。
そのようなときには、血圧がかなり上昇していることがありますので、すぐに医療機関を受診されることをおすすめします。
このような 「疾患が原因である肩こり」 の場合には、一般的な解消法では症状が改善せず、徐々に悪化することもあります。
また、肩こりのみではなく、他の症状が同時にでている場合があります。
肩こりに加えて 身体の他の部分に痛みがあるときや、めまいを感じるとき、腕や手 ・ 指の痺れがある ・ 物を持っても手に力がないために落としてしまう などという場合には、かかりつけ医師にそのことを報告することをおすすめします。
そして症状の原因を解明し、一刻も早く正しい治療を受けることが必要であると思います。